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双子姉妹の麻耶(まや)と綾(あや)の、少し危うい関係。
苦手な方はお気を付けて…。

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貴方は、甘党な人だった。
コーヒーに角砂糖3個以上は当たり前。
ケーキもパフェもパイも大好物だった。
バレンタインにチョコを作って贈った事がある。
驚いた顔をした貴方は、その後に照れくさそうに礼を言った。
ホワイトデーに花束を貴方から貰い、正式にお付き合いすることになった。
「僕と付き合ってると、変な目で見られない?」
「いや、特に無いけど…。」
「そうかあ。」
彼はチョコパフェの生クリームを、スプーンですくって食べている。
「甘党過ぎかなあ。」
「でも、貴方のそういう所も好きだよ。」

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夕焼けがやけに赤く見える日だった。
彼の白いエナメルの鞄に夕日が反射する。
いつもこうして、彼の部活が終わるのを待ってから下校している。
その間、私は図書館で宿題をしたりして過ごしている。
「毎日悪いな、待たせて。」
「ううん、大丈夫。宿題してるし。」
「宿題かあ、帰ったらやらないとな。」
彼は少し憂鬱そうに眉根を寄せた。
「夕焼けが綺麗だね。」
「お、本当だ。最近雨ばっかりだったから、久し振りに見た気がする。」
夕日に照らされる彼の横顔が、私は何よりも好きだった。

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「どうだ?」
「いいえ、何も言いません。」
椅子に括り付けられた男は、ありとあらゆる拷問を受けても、自分の名前すら言わなかった。
「大した忠誠心だ。」
「…。お前が来るのを待っていた。」
「何?」
男は突然立ち上がり、手に持ったカミソリの刃で頸動脈を掻っ切った。
「何を、した…。」
血溜まり倒れた幹部らしき男を、冷めた目で見る。
「奇襲に弱いんだね、つまらないの。」
「動くな、撃つぞ!」
拷問役が怒鳴って拳銃を構える、その一瞬で同じ様に喉を掻っ切る。
「遅いよ、止まって見える。」
2つの血溜まりを振り返り、男はその部屋から去る。

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朝起きて、身支度を整え家を出る。
いつものプラットホームで、満員電車になんとか乗り込む。
会社の最寄駅に着く頃には、既にヘトヘトだ。
そこから、会社までおよそ10分歩く。
太陽の出ないどんよりとした空模様。
出社して昨日の作業を確認、メールチェック、ざっと新聞の一面を各社確認、それが終わると漸く仕事だ。
会議だなんだと、色々あり自分の仕事が中々進まない日だった。
定時になると休憩室の窓際で、ぼんやりとビル群を眺める。
そうしてまた、仕事へと戻る。
粗方片付けて、納期に間に合うよう調整する。
そして、退社。
私の人生はなんだ。仕事一色なのか。

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1人しか助けられないとしたら、僕はどうするだろう。
もう1人を見捨てる?2人共助けない?
それとも、僕が犠牲になって2人を助ける?
嗚呼、最後のが1番しっくりくるな。
他人の為に命を落とすなんて、と言われるかもしれない。
それでも、僕はどちらかを見捨てるなんて事は出来ない。
その後悔を引きずって生きていくのならば、死んでしまった方が余程楽だ。
助けた2人の肩にも、後悔がのしかかるかもしれない。
それでも僕は、2人を助けて犠牲になる事を選ぶだろう。

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散らかった部屋、破れたカーテン、部屋の隅で小さくなっている君。
嗚呼、僕はまた狼になっていたのか。
狼になっている時の記憶は、僕には一切残っていない。
「ごめんね、アリス。折角綺麗にしてくれていたのに。」
「大丈夫よ。また掃除すれば良いだけじゃない。」
彼女はそう明るく言って笑った。
「あの、怪我は…ない?」
「うん。貴方はいつも私を傷付ける様な事はしないわよ。」
「そう、なんだ…。」
漸くホッとできた。これで彼女を傷付けていたとしたら、
僕は自分を許す事が出来なくなるだろう。
「いくら狼でも、貴方は貴方のままよ、トム。」
「ありがとう…。」


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女子高校生2人の話。
ほんのり百合なので、ご注意下さい。


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「おじ様は、世間から見たら誘拐犯なのかしら?」
「そうなるだろうねえ。いくら、君が両親からDVを受けていたと言ってもね。」
「私は、助けて貰えたと思ったのに?」
「ああ、そうだよ。世間からの目は冷たいものさ。」
先月末にこの少女を、誘拐もとい救出した。
ニュースでは頻繁に話題になっているようだが、警察の捜査は難航しているようだ。
それはそうだろう。こちらも、細心の注意を払っているのだ。
「外に連れて行けなくて、ごめんね。」
「ううん、大丈夫よ。安心して寝られるだけでも、私は幸せだもの。」
「そうかい。」

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「世界から私が消えたなら、どうする?」
「また、縁起でもないことを。」
彼女はたまにこうした話をしたがる。
上手くはぐらかせた試しが無いので、答えるしか無い。
「それでも、俺は生きていくと思う。
でも、ずっと忘れないだろうなと思うよ。こうして話をした事も。」
「そう…。ありがとう。」
彼女は意味ありげに微笑んだ。
「俺が消えたなら、どうする?」
「私は…、私は、後を追ってしまうかも。
貴方の居ない世界に、耐えられないと思う。」
「それじゃあ、俺は長生きしないとな。」
「そうね。」

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