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「これ、ありがとうな。お陰で勝てたよ。」
「良かった!」
試合前に貰ったミサンガをつけた左腕を見せると、君は嬉しそうに笑った。
部活で地区予選突破となるか、という大事な試合があった。
その試合の前日に、このミサンガを貰ったのだ。
手作りのミサンガを貰うのは、初めての事だった。とても嬉しかった。
試合の結果は、冒頭の通りである。
無事に試合に勝ち、地区予選突破となった。もうすぐ、県の代表を決める試合が始まる。
「なあ、ずっと言おうと思ってたんだけど、お前の事好きなんだ。」
「え、…え?」
君は大きな目を見開いて、ぽかんと口を開けている。
いきなり過ぎたか?でも、地区予選突破したら、言おうと自分の中で勝手に決めていたのだ。
「よかったら、付き合って欲しい。」
「え、あの、私で…いいの?」
「当たり前だろ。」
「うん、ありがとう。私も好きだよ。」
君は、おずおずとそう言い恥ずかしそうに顔を覆った。
「もう、いきなり過ぎ。びっくりした。」
大きなため息と共に、顔を覆っていた手が外された。
「なあ、ハサミある?」
「え?あ、ソーイングセットのなら…。」
鞄の中をガサゴソと探した彼女は、小さな水色のハサミを取り出した。
「切って、これ。」
「え?」
そう言って左腕のミサンガを見せると、驚いた顔をした。少し困った顔して、それでも言う通りに彼女は、ミサンガを切った。
「願い事叶ったからな。お前と付き合える様に、って思ってたから。」
「も、もう、恥ずかしいこと言わないでよ!」
彼女は顔を真っ赤にして、それでも少し嬉しそうに笑った。
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