roika_works 【単発】狼男と少女 忍者ブログ
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散らかった部屋、破れたカーテン、部屋の隅で小さくなっている君。
嗚呼、僕はまた狼になっていたのか。
狼になっている時の記憶は、僕には一切残っていない。
「ごめんね、アリス。折角綺麗にしてくれていたのに。」
「大丈夫よ。また掃除すれば良いだけじゃない。」
彼女はそう明るく言って笑った。
「あの、怪我は…ない?」
「うん。貴方はいつも私を傷付ける様な事はしないわよ。」
「そう、なんだ…。」
漸くホッとできた。これで彼女を傷付けていたとしたら、
僕は自分を許す事が出来なくなるだろう。
「いくら狼でも、貴方は貴方のままよ、トム。」
「ありがとう…。」


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