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駅は、いつに無く混み合っていた。『帰宅ラッシュと重なるの忘れてた…。』セーラー服の少女は、人混みに困惑しながらもどうにかして、目的のプラットホームへと辿り着く。当然ながら、プラットホームも混雑している。人の隙間をぬって歩いていたら、黄色のブロックより外側に出てしまった。誰かにぶつかり、足がよろめく。踏ん張ろうとした足がもつれる。『落ちる!』と思った瞬間に、空を切る手を力強く握られた。「危なかったね、大丈夫?」黒いスーツに黒いコートを着た、細身のサラリーマン風の男が優しく声をかけた。「す、すみません。大丈夫です。」プラットホームの内側へ戻ったら、掴まれた手が途端に恥ずかしく感じられた。「君に死なれると、困るんだよ。」サラリーマン風の男は、冗談めいたように言う。セーラー服の少女は言われた言葉の意味を理解できなかった。「それは、どういう…?」サラリーマン風の男は、少女に耳打ちをした。「僕は、死神なんだ。だから、君に今死なれたら、僕の仕事が無くなるだろう?」
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