roika_works 【単発】月明り 忍者ブログ
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ひやりとした床板の温度に足が凍りそうになる。ふと目が覚めた真夜中、なかなか寝付けそうにないので一旦起きようとしたのだ。窓の端から月明かりが漏れ、その明かりを頼りに厚手の靴下を手繰り寄せ何とか事なきを得た。私の足は凍らずに済み、無事に廊下へ辿り着く。その日は月が随分と明るかった。廊下に伸びる影が床板から壁までのそりと這っている。この明るさでは、星はあまり見えないだろうなあと窓から覗き見る。丸い大きな月と、僅かな街灯が灯るばかりで星は然程多く見えないように感じた。この満月の光は暖かく包まれるようにも感じられるが、星明りさえも消し飛ばす冷たい孤高の光のようにも思えた。

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