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ふと目が醒める。まだ陽が昇っていない時間帯であるため、カーテンの向こうからは街灯の光が僅かに差し込むばかりであった。台所まで、忍び足で歩きコップ半分程の水を飲み干した。そこで漸く気持ちが落ち着いた。時計の秒針の音が、妙に大きく聞こえる。ちくたくと、秒針は進むばかりである。ふうっと、溜息が知らないうちに出た。寝室へ再び忍び足で戻る。小さな寝息を立てている相手を起こさぬよう、なるべく静かに布団の中へと滑り込む。自分を探していたのか、右手がぱたぱたと布団の中で動いていた。その手を握りしめてやると、安心したのか手は探し物を止めていた。無意識だったとしても、自分を探してくれる人がいるのはとても幸せな事だと手から伝わる体温でしみじみと感じた。
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