roika_works 【単発】他人の人生 忍者ブログ
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私は道端に転がる、小さな石であった。たまに踏まれたり蹴飛ばされたりする以外は、存外に平和なものである。ひたすら時間を浪費して過ごしていた。こうして時間の浪費を日々繰り返していると、妙な思考癖がついてくる。頭の中にもう1人自分がいるような感覚に陥る(石に人格だなんておかしな話かもしれないが、事実である)。ころり、と蹴飛ばされるその時その人間の顔を見る。サラリーマン風の男性であったが、忙しなさそうに腕時計を見て、何やら遅刻をしそうな雰囲気だった。もし、自分がこの男性であったら、どのような人生になったであろうか。そう考える癖がいつの間にかつくようになっていた。私はちいさな石ころながら、多種多様な人生を空想し今日も時間を浪費する。

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