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あの子と君はとても似ていると思った。自分に自信がなくて、愛情に飢えていた。根底にあるのは、同じである。私の後をしつこくついてきたあの子を思い出す。とうの昔に会ったきり、その後のことは風の噂でしか知らない。あの子は自分の力の使い方を漸く理解できた。君にその日が来るのもきっと近い。

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twitterにて「#いいねの数だけ恋の話をする」というハッシュタグをしました。
17本の小噺をまとめました。
嘘と真実を織り交ぜつつ、お届けします。

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 真っ直ぐに引かれた横線は、飛行機雲のようだった。


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地平線を見た事があるだろうか。朝陽を生み出し夕陽を飲み込む、あの地平線である。無から有を生み、有を無に帰す。地平線の彼方からやってくるものは、果たして何であろうか。平穏な日常か、凄惨な非日常か何方か分からない。また、此方に選ぶ術などは存在しない。其れを、理解していない人間は多い。

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静寂、其処から僅かの間を置いて、衝撃が身体を走る。殴りつけられた頰を拭うと、鼻から血が滲んでいる。ぐらぐらする意識の中で漸く認識した。兎に角、相手を刺激しないよう無抵抗でいるしか無かった。そんな事しか出来ない自分が情けなかったが、守るべきものを考えるとそうせざるを得なかったのだ。

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君と僕の見ている空は繋がっているというけれど、果たして本当だろうか。生憎の雨で見えない月も君の所では綺麗に輝いているのだろうか。空を幾ら眺めたとて、君に会える訳じゃない。そんな事はとうに分かっていた。でも、空を見ずにはいられなかった。君もこうして空を見上げているかもしれないから。

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その手で取るは、月か星か。何方が良いだろうと悩むのは、贅沢な悩みである。いつになっても、答えが中々決められない。そうこうしているうちに、月は沈み陽が昇り始める。眩い陽の光は、星々の光を集めたかのようである。うっすらと見える、青白い月が妙に寂しく見えた。どこと無く、親近感を覚えた。

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或る秋の日だったと記憶している。その日はやたらと君が天気を気にしていた。話を聞いてみると、中秋の名月とやらで月見をしたいのだと言う。意外と風流なことを言うものだと、失礼ながら思ったのだ。君だったら、気にとめなさそうなことだから。ここはひとつ、団子でも買って月見をしようじゃないか。

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たらればを語っていては仕方がない。それは重々承知。その上で語っている。あの日、君に会いたいと言わなかったら……?少なくとも、若くして事故に巻き込まれて死ぬ様なことはない。僕の我儘で僕は一番大切な人を、この世から葬り去ってしまったのだ。後悔だなんて生易しい言葉では、片付けられない。

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心を通わせることが出来たと、烏滸がましくも思ってしまった。君のことを、分かったつもりになっていた。今になって、とんだ思い上がりもいいことだと感じる。ゴミ箱に捨てられた手紙の束、電話が鳴らないようにと抜かれた電話線。鴨居に縄を掛けてぶら下がる君を見付け、ただ呆然とするばかりだった。

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