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ピアノの旋律だけは、実に素直だと思う。毎日同じ曲を弾いても気分や機嫌で、全く異なった印象を与えるのである。そりゃあ、人間が弾いているのである。毎日毎日、同じ調子という訳にはいかないだろう。天気や季節によって、ピアノの調子も違うのだ。そこにレコードではなく、生演奏という良さがある。

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自分はとるに足らない存在だと思っている。それは今も変わらない。そんなことないよ、という言葉が聞きたい訳でもない。どこにでもいる。それが、自分なのである。元来、流されやすい性格で大小様々なことに巻き込まれてきた。最早体質と言ってもよい。できることなら、流されてもっと遠くへ行きたい。

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少しだって眠くもないくせに、酒に酔ってみたふりをする。一体、何から逃げたいのだろう。確実に来る明日、不確実な遠い未来。どちらから逃げたいのだろう。どちらからも、逃げたいのかもしれなかった。大人になるということは、思っていたよりも難しいらしい。ただ、歳を重ねてきてしまった気がする。

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‪折り紙の金色は特別だった。他とは違ってきらきらしていたそれを、大事に引き出しにしまっていた。そんなことを思い出したのは、ぐしゃぐしゃになった折り紙を見つけたからだった。いつの間に忘れてしまっていたのだろう。今更どうということもないのだけれど。ぐしゃぐしゃの折り紙で鶴を折った。‬

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困ったことがある。目の前に困っている子供がいるのだ。他人の子である。両親がないとしても、私には関係のないことだ。しかし、出会ってしまったのだ。この子供はまだ、一人で生きる術を知らない。今のままでは、様々な力に捩じ伏せられてしまう。私は関係ない子供を足蹴にすることが、できなかった。

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優しい人に優しくされたからと言って、それに甘えてばかりではならない。不安定なときや眠れない夜もあると、想像力を働かせるべきだ。相手との距離感を間違ってはならない。自分と違う個体であることを、忘れてはいけない。その上で、付き合っていくべきだ。優しさは、有限であると心得ておくべきだ。

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あなたはいつも、あの子と僕とを比べていた。あの子と過ごした時間の方が長いのだから、仕方のないことかもしれない。しかし、あなたの心を支配しているのは、僕でもあの子でもなかった。それは別の誰かで、僕らが知らない人だ。あなたは今でもその人の影を追っている。追いつけないと分かっていても。

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雨が止まない。
「困ったなあ。私、傘持ってないよ」
「僕もです」
 仕方がないので、雨宿りがてら喫茶店に入る。幸いなことに急ぎの用事はない。珈琲と紅茶をそれぞれ注文する。こうしてゆっくりと二人で過ごすのは久し振りだった。だからといって緊張するのも、変な話だ。雨はしとしとと降り続いている。

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ああ、困ったなあ。君はいつもそう無防備に、周囲の人間に振る舞う。人知れず私がハラハラしているのも、君は知らないのだろう。誰にでも分け隔てなく平等に接する。君の良いところであり悪いところだ。私だって、君に特別扱いされたいと思う。私とて聖人君子ではない。この思いを悟られてはならない。

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僕は何もできないと思っていた。そう思い込んでいたのは昨日までのこと。僕は人助けができるかもしれない。そう思ったのは、今日のこと。僕は悪人になりきれなかった。闇に差す光でありたかったし、悪を挫く剣でありたかった。少しでも、誰かの役に立ちたいと思ってしまった。そう思うのは、明日のこと。

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