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長い黒髪がさらりと揺れる。
ベッドのシーツに広がる髪の毛にそっと触れる。
艶やかで、芯のある髪は掌から零れ落ちる。
彼女の髪の毛は、美しい。
陽光に照らされ、焦げ茶色に反射するのも綺麗だ。
また、暗い部屋ではその闇に溶け込みそうな程に黒さが際立つ。
彼女自身は、意識していないが彼女は美しい。

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向日葵が揺れる季節のことだった。
満開の向日葵畑に、君は夢中でカメラのシャッターを切っていた。
その空間丸ごと保存しているかのようだった。
帰宅して君と写真を見てみると、幾つかの写真には自分が写っていた。
「いつの間に撮ったんだ?」
「声掛けたら撮らせてくれないだろう?」
彼は笑った。

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空が飛べたら何がしたい?
そんな些細な他愛ない会話だった。
そうだなあ、と考え込む。
ひとまず自宅の近所をぐるりと飛んでみたい。
それから、出来ることなら渡り鳥のように別の場所へと行ってみたい。
まだ知らない世界を、気流に乗って見てみたい。
私は何しろ出不精なもので、見知らぬ世界が多いのだ。

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いつまでも友達でいられると、私は思っていた。
趣味も合うし、なにしろ隣にいて楽なのだ。
変に気を遣わなくて良いのは、有難かった。
転校してきて日が浅く、まだクラスに馴染めずにいた。
最初に声を掛けてくれたのがあなただった。
その時は嬉しかった。
私はあなたの恋人になるとは、思いもしなかった。

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ゆっくりとした時間。
ハーブティーが入ったティーポットでは、ローズヒップが揺れている。
鮮やかな色合いが、私は気に入っていた。
ティーカップに注いだローズヒップティーに、口をつける。
身体の中心からぽかぽかと温かくなってくる。
ふうっと一息。
私は膝に置いていた本に、再び目を落とす。

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あなたの背中を追いかけてきた。
私にとってあなたは、理想そのものだった。
いつか、あなたに言われた言葉は何だっただろうか。
思い出そうとすると、頭の中にノイズが走るのだ。
とても大切な言葉だった筈なのだ。
あの人の人生そのものを表すような。
私は今日もあなたの見えない背中を、追いかけている。

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「おいで」
そうしてゆっくりと抱き寄せる。
猫っ毛の髪の毛を撫でた。
「何かあった?」
「ちょっと疲れてな」
心配そうに此方を見つめてくる。
こんな顔をさせてしまっている自分が、情けなかった。
「こうしていると、充電出来る」
「充電?」
「うん」
「そっか、元気出た?」
「そうだな」

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喫茶店で他愛も無い話をするのが好きだ。
好きな珈琲や紅茶をそれぞれ飲みながら、映画や本について語る。
その時間がとても好きだ。
互いに話が尽きなくて、延々と話をした。
2人の間では金曜の夕方に、喫茶店で語らうというのがいつしか習慣となっていた。
約束をしなくても、その喫茶店に君が必ずいる。

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年の瀬は何かと忙しない。
人々は年末年始の過ごし方について、話に花を咲かせている。
実家には18歳の頃から帰っていない。
どうにかこうにかして、自分で部屋を借りたのを覚えている。
小さな六畳間だ。
両親の虐待から逃げる為に上京し、なんとか生計を立てていた。
僕の実家は、この六畳間だけである。

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洗濯機が回る音が好きだと言っていたのを思い出す。
洗濯機の上面にある小さな小窓から、ぐるんぐるんと洗濯物が回転する様をよく覚えている。
こんなになっても溺れないんだなあ、とよく分からない独り言を零していた。
それも今は過去の話。
洗濯機を覗き込む君はいない。
今日も洗濯機の音は変わらない。

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