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きっとあなたは帰って来ない。
こんなに寒い夜があっただろうか。
いくら布団や毛布を身体に巻き付けても、寒いのは変わらなかった。
それもそのはずだ。私が寒がっているのは、心だからだ。
布団や毛布でどうすることもできない。
この冷えは、あなたでないと治らない。
それなのに、あなたは帰って来ない。

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足元に纏わりつく猫が、物言いたげに鳴く。
生憎猫の言葉は分からないので、頭を撫でてやる事しか自分には出来ない。
暫くそうしていると、満足したのか猫はスッと離れて行った。
このこざっぱりした性格は、なかなか嫌いになれない。
ゆっくり歩いていくのを、ただ眺めた。
あの気紛れさは、なかなか良い。

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雪が吹雪く中、歩いていた。
足元の雪を踏みしめ慎重に歩く。
風に靡くマフラーを、口元まで上げる。
吐く息は白く、手袋をしていても指が悴む。
これが、この地域の冬だ。
周囲を白で染め上げ、風が吹き荒ぶ。
厳しい場所だ。
それでもこの場所を嫌いにはなれなかった。
厳しい自然の中にいると落ち着くのだ。

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※BLなのでご注意下さい

スッと左手の薬指を撫でて、君は言う。
「俺達が指輪をすることは無いんだろうな」
「まあな、この国じゃ無理だろうな。俺らがジーさんになってからかもな」
「はは、笑わせるな」
「でも、可能性はゼロじゃないだろ?」
そう言って笑った。
例え可能性が無くとも、2人でいることに変わりはない。

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お題:人の気配がない神社
お題提供:彩蝶衣さん

人里から離れた神社にやってきた。
まるで、世界から切り取られた様な場所である。
時間の流れは穏やかで、木々の葉が擦れ合う音しか聞こえない。
お参りを済ませ、御神籤を引く。
結果は小吉。
内容をじっくり読み、御神籤を側にある紐へと括り付けた。
境内を見渡して、深呼吸。
漸く年が明けた実感がした。

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君は不思議な顔をして、私に問うた事があった。
「先生、死とは何でしょうか」
君は真面目な顔をしていた。
これは私も真面目に答えなければならぬ。
「死とは、時間が止まる事だ。どんな手を尽くしても、その人の時計を進める事は出来ない」
真剣に聴いている君の目は、何処までも真っ直ぐだった。

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青い空を見上げるという行為自体が、久し振りに感じる。
遮る雲も無い空からは、陽光がさんさんと降り注ぐ。
こんな天気の日は、君のことを思い出す。
煙草に火をつけて、吐き出された紫煙が雲の様だった。
元気にしているのだろうか、と思うが連絡を取ることは無かった。
いつしか疎遠になり、そのままだ。
青い空を見上げるという行為自体が、久し振りに感じる。
遮る雲も無い空からは、陽光がさんさんと降り注ぐ。
こんな天気の日は、君のことを思い出す。
煙草に火をつけて、吐き出された紫煙が雲の様だった。
元気にしているのだろうか、と思うが連絡を取ることは無かった。
いつしか疎遠になり、そのままだ。

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しんしんと雪が積もっていく。
どの家も、砂糖菓子のようにこんもりと雪が積もっている。
雪掻きをせねばならないなと思いながら、窓から雪空を見上げる。
漆黒の闇から、舞い降りる雪は妖精の様だ。
雪掻きをする身としては、中々の困りものである。
しかし、降っている様の美しさは筆舌し難いものである。

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そっと毛布を掛ける。
机に突っ伏している彼は起きない。
近々資格取得の試験があると言っていた。
応援しているが、彼は無理をしてしまうところがある。
それを私は心配していた。
参考書の彼方此方に、何かしら書き込みがしてある。
熱心に取り組んでいるのだから、上手くいって欲しいと願うばかりである。

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遠くでカラスが鳴く声が聞こえてきた。
もうすぐ日も暮れる。
橙から紺へグラデーションに塗られた空に、星が僅かに煌めき始めた。
こうして1日は終わる。
太陽が沈んでも、空の縁はぼんやりと橙色に輝いている。
その美しさを説明するのは難しい。
この時間帯が好きだった。
陽が沈む迄話した君を思い出す。

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