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生きなければいけない理由が思いつかない。死んではいけない理由が思いつかない。膨大な時間に溺れていく。それが怖くて、一歩を踏み出すかどうかゆらりゆらりと思考が揺れだす。「私が何処かへ行くには、何か強い理由が必要なの。」彼女は溜息をつく。その後に、冷めた目で此方を見やる。強い意志を持つ、ガラスの様に澄んだ瞳である。「その理由に、貴方はなれない。」なるほど、と妙に納得する。特段頭が良い訳でも、世間で言う格好良いといわれる顔でないのは確かだ。彼女がそう言うのは、当然の様に思えた。「私は貴方の最後を見たくない。」風が強く頬を打つ、散らされた前髪から透けて見える彼女は少し悲しげであった。それは枯れ木が山を覆う、冬の日のことであった。
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