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春が近付く。
梅の花が咲き始める。
ウグイスの声が聞こえる。
葉を落とした木は、蕾を用意して花を咲かせる準備をしている。
もうすぐそこまで春がやってきている。
足音はせずとも、確実に春はやってくる。
冬の厳しい風も、徐々に和らぎ梅の花の香りが混ざっている。
春を伝える風は優しく吹き抜けていく。

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私はただの幼馴染だと実感したのは、君に恋人が出来てからだ。
君にとっての1番大事な人は、彼女となった。
私にとっての1番大事な人は、君だったのだと痛感した。
彼女が出来たと報告をしてきた君に、私はおめでとう、としか言えなかった。
色々言いたかったが、その時はとうに過ぎ去ってしまっていた。

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‪紅茶を一口飲んで彼女は「馬鹿みたい」と呟く。
窓枠に溜まった雨粒は、溢れて流れ落ちた。
さながら、涙のようだ。
「人ひとりが何だっていうのよ」
彼女の言葉は、誰に宛てたものでもない。
「あの人じゃなきゃいけない理由なんて、本当にあるのかしら」
紅茶を飲み、彼女は溜息を吐いて窓を見つめる。‬

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『誰よりも優しい貴方』追加

『単発』
・「あなたには内緒のこと」追加
・「鼓動」追加
・「繋ぐもの」追加
・「三寒四温と僕と君」追加
・「季節の食事」追加
・「気がついたら、私は病院にいた。」追加
・「眠り姫」追加

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ひとつふたつと指を折り、あなたの誕生日までの日付を数える。
贈りたい物は見付かったのだが、何処に隠しておこうか。
私なりに考えて、自分のクローゼットの中が1番安全だろうと結論が出た。
わざわざ、別の紙袋に入れてクローゼットの上の棚にしまうほど、念入りだった。
あなたの誕生日まで後少しだ。

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君の音と僕の音は、違うのだろうか。
身体中に血液を循環させているその音。
君はいつも通り、僕の手首をそっと握る。
とくとくと、手首の僅かな振動を君は確認する。
こうしないと、居なくなってしまいそうだと君は言っていた。
君の手首を握り、僕も君が生きている事を確認する。
今日も2人で生きている。

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いつの事だったか、僕が筆箱を忘れた時にシャープペンシルを借りた事があった。
そのまま、貰って良いと気さくに笑った君の事を思い出す。
君の言葉に甘えて、僕は未だにそのシャープペンシルを手元に置いている。
「まだ持ってたんだ」
「最初に貰ったものだからね、記念に」
そう言うと照れ臭そうに笑う。

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凍える様な寒さは次第に和らいでいく。
まだ朝と晩は、シンと冷えている。
春の近付きは感じるが、まだまだ冬の寒さは続きそうである。
蕾をつけた木々は、風に揺られている。
今日はやけに風が強い。
向かい風の中、マフラーで鼻まで隠して歩いていく。
マフラーは向かい風で乱暴に揺らされるばかりであった。
もう少しすれば、家が見える。
君が僕を待っている家だ。
部屋に灯された明かりを見ると、ほっとする。
1日の疲れなど、吹き飛ばしてしまう程だ。
玄関を開けただいまと告げると、君は優しく笑い出迎えてくれる。
ああ、この家に君が居てくれて、本当に良かったと心底思う。

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「君とこうして七草粥を食べるのは、何年になるだろうね」
「そうですねえ…。もうずっと前からになりますね」
妻が用意した粥を食べながら、思い出を振り返る。
季節の食事を、妻は大事にしているようだ。
私は食に頓着しないものだから、妻に季節の食を出して貰う事で、季節の移り変わりを実感している。

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気がついたら、私は病院にいた。
何故自分が此処に居るのか、見当がつかない。
点滴や酸素マスクがつけられており、どうやら自由に動く事は難しそうだ。
どうしたものかと思案するしか出来ない。
仕切りのカーテンが開き、看護師が入って来た。
「目が覚めましたか。地球で生き残ったのはあなただけですよ」

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