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「さて、と。」
いつも通りの掛け声で立ち上がる。
男の肩にはクーラーボックスが掛けられている。
男の肩にはクーラーボックスが掛けられている。
「それじゃあ、また。」
「ええ、またよろしくお願いします。」
いつも通りのやり取りだ。
ドアを閉めて、男は悠々と階段を下りて行く。
空になったクーラーボックスは、軽くて良い。
「終わりましたか。」
「ああ、大丈夫だよ。」
クーラーボックスを後部座席に置き、助手席へと乗り込む。
「しかし、あれだけの量、相手も欲しがるんですね。」
「そうなんだよ。まあ、良いお客様さ。金払いも滞り無い。」
男が生業としているのは、臓器売買だった。
今日はいつもより、心臓の数の要求が多かった。
表に出る事の無い臓器は、闇市場で取引される。
「戻りましょう。」
車のエンジンを掛けて、助手は車を発進させる。
灰色のビル群を見て一言呟く。
「ああ、今日も働いたなあ。」
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