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段々と空が高くなる。
星がよく見えるようになってくる。
久し振りに星座盤を取り出す。
ぐるりと回して、今日の日付に合わせた。さて、見えるかどうか。
「どう?」
彼女は、マグカップを2つ持ってやってきた。
そのマグカップを受け取り、天体望遠鏡を覗き込む。
隣に座る彼女からは、シャンプーの香りがする。
「見えそうだ。寒くない?」
ブランケットを彼女に手渡して、天体望遠鏡の側に来るよう促す。
「ありがとう。」
彼女は、そっと望遠鏡を覗く。
其処には宇宙が広がる。遠い遠い宇宙が。
暫く夢中になって観ている彼女の隣で、マグカップに口をつける。
温かいカフェオレが、優しく身体を温める。
「凄いね。」
彼女は、此方を振り返って嬉しそうに笑う。
その笑顔が見られただけでも、充分だなあと感じた。
「誕生日、おめでとう。」
「ありがとう。」
彼女は隣に戻ってきて、ブランケットで2人を包み込んだ。
ふわふわとした触り心地の柔らかいブランケットだ。
「去年も星が観られて嬉しかったなあ。」
「そうだね。」
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