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二人で黙ってプラットホームのベンチに座っていた。
田舎の駅は、人も疎らである。
田舎の駅は、人も疎らである。
「そろそろ発車時刻みたいだから、電車乗るよ。」
彼はそう言ってスーツケースを手に取り、電車へ乗り込んだ。
ドアが閉まる迄は、まだ時間があるようだ。
ドアが閉まる迄は、まだ時間があるようだ。
「気を付けて行ってきてね。」
私は上手く笑えているだろうか。少し上ずった声で、見送りの言葉を贈る。
「うん、ありがとう。」
彼は照れ臭そうに笑った。
「ちゃんとご飯食べるんだよ。」
そう言うと彼は笑った。
嗚呼、やはり笑顔が好きだなあと悠長な事を考えていた。
発車ベルの音が、プラットホームに響き渡る。私は一歩後ろに下がった。
「着いたら電話するよ。」
嗚呼、やはり笑顔が好きだなあと悠長な事を考えていた。
発車ベルの音が、プラットホームに響き渡る。私は一歩後ろに下がった。
「着いたら電話するよ。」
「うん、ありがとう。待ってる。」
ドアが閉まる。彼と私の間に、物理的な壁が出来た。
彼は、ドアについている窓から、こちらに向かって手を振っている。
電車がゆっくりと動き出す。私も手を振って彼を見送る。
今出来る精一杯の笑顔で、私は手を振り続けた。
彼は、ドアについている窓から、こちらに向かって手を振っている。
電車がゆっくりと動き出す。私も手を振って彼を見送る。
今出来る精一杯の笑顔で、私は手を振り続けた。
「置いて…行かないでよ…。」
ぽつりと呟いた独り言と共に、一粒の涙が頬を滑り落ちた。
人のいないプラットホームに、独り言は吸い込まれて消えていった。
人のいないプラットホームに、独り言は吸い込まれて消えていった。
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