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授業中に眼鏡を掛ける彼女の横顔は凛と咲いた花の様であった。普段は眼鏡を掛けていない彼女だが、授業中には眼鏡を掛けている。その時間にしか見られないというのが、とても貴重な事のように思えた。彼女は黒板を見て、真剣にノートに書き写している。自分といえば、彼女の横顔を盗み見ながら、授業をぼんやりと受けていた。世界史の授業は書く事が多くて、嫌だなあ。似たようなカタカナの人物名を、ノートにつらつらと書き写す。これを一度に覚えられる訳が無いなあと、来月のテストを思い溜息を吐く。彼女は教科書の重要項目に線を引いたり、教師の言った言葉迄丁寧にメモを取っていた。それだけの気力がない自分にとっては、彼女のその世界史に対する熱意は驚く程だった。やがて、チャイムが鳴り授業が終わる。ざわざわと人のざわめきが教室を支配していく。教科書とノートを、机の中にしまい次の授業の準備をする。次は、数学か。これなら世界史に比べて、少しは楽しそうだと心の中で呟く。彼女は、ノートの見直しをして丁寧に教科書とノートを、机の中にしまった。
「世界史好きなの?」
「え?」
唐突に話し掛けた自分に、彼女は驚いた様だった。
「だから、世界史。好きなの?凄い熱心にノートとってたから。」
「ああー、どちらかと言えば不得意かな…。」
「そうなの?」
意外であった。彼女は世界史が好きだから、熱心に授業を聞いているものとばかり思っていた。
「苦手な授業は、ちゃんとノートとるって決めてるの。後で困るの目に見えてるから。」
「しっかり者だなー。俺も世界史苦手なんだ。全然授業に身が入らなくてさあ。」
「本当、ぼーっとしてたもんね。全然動かないから寝ているのかと思った。」
そう言って彼女は笑った。眼鏡がよく似合うなあと、自分は今の会話とは見当違いな感想を抱いていた。
「世界史好きなの?」
「え?」
唐突に話し掛けた自分に、彼女は驚いた様だった。
「だから、世界史。好きなの?凄い熱心にノートとってたから。」
「ああー、どちらかと言えば不得意かな…。」
「そうなの?」
意外であった。彼女は世界史が好きだから、熱心に授業を聞いているものとばかり思っていた。
「苦手な授業は、ちゃんとノートとるって決めてるの。後で困るの目に見えてるから。」
「しっかり者だなー。俺も世界史苦手なんだ。全然授業に身が入らなくてさあ。」
「本当、ぼーっとしてたもんね。全然動かないから寝ているのかと思った。」
そう言って彼女は笑った。眼鏡がよく似合うなあと、自分は今の会話とは見当違いな感想を抱いていた。
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