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そうこうして、数学の授業になり宿題のワークが回収された。聡史は何度か美咲にヒントを出し、美咲は答えを導き出したようだった。美咲も普段と変わらぬ様子でワークを、回収係の生徒に手渡した。
『ありがとう』
口には出さないが、口の動きで分かった。美咲はそうして、にこりと笑った。数学の授業が頭に入らないなんて日が来るとは、今日まで思わなかった。流れ作業の様に問題を解き、黒板に目をやりノートをとった。聡史は自分でも、少々美咲を意識し過ぎだと自覚していた。しかし、自覚しているからといって、それを止める事が出来るかどうかは別の問題であった。
「聡史、ありがとう。助かったよ~。」
「いいよいいよ、大丈夫。」
「このご恩は忘れません…。」
美咲は大げさに顔の前で、両手を合わせて聡史を拝んだ。
「んな、大げさな。」
「あはは。」
数学の授業が終わると美咲は、少しほっとした様子だった。軽口が叩ける様になるほど、美咲と親しくなれるとは席替え当日には思わなかった。そういった意味では、日直が一緒だったのはひとつのターニングポイントだったなと今になって思う。聡史は美咲に惹かれていっている事は分かっていたが、まだ気持ちを伝えるには時期が早過ぎると思っていた。
『ありがとう』
口には出さないが、口の動きで分かった。美咲はそうして、にこりと笑った。数学の授業が頭に入らないなんて日が来るとは、今日まで思わなかった。流れ作業の様に問題を解き、黒板に目をやりノートをとった。聡史は自分でも、少々美咲を意識し過ぎだと自覚していた。しかし、自覚しているからといって、それを止める事が出来るかどうかは別の問題であった。
「聡史、ありがとう。助かったよ~。」
「いいよいいよ、大丈夫。」
「このご恩は忘れません…。」
美咲は大げさに顔の前で、両手を合わせて聡史を拝んだ。
「んな、大げさな。」
「あはは。」
数学の授業が終わると美咲は、少しほっとした様子だった。軽口が叩ける様になるほど、美咲と親しくなれるとは席替え当日には思わなかった。そういった意味では、日直が一緒だったのはひとつのターニングポイントだったなと今になって思う。聡史は美咲に惹かれていっている事は分かっていたが、まだ気持ちを伝えるには時期が早過ぎると思っていた。
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