roika_works 【単発】天使の階段 忍者ブログ
Twitterで投稿した小説やイベント参加情報をまとめています
Admin / Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

数日の雨と曇りが続き、漸く晴れ間が覗いた。雲の隙間に太陽の光が差し込む。天使の階段だ。何処かで誰かに聞いた事がある。それが意味する事は忘れてしまったけれど。名前の響きだけは覚えていたのだ。溜まった洗濯物が一気に片付くのは、中々気分が良かった。今日の日和だと、洗濯物もよく乾くだろう。天使の階段、ふと口に出して呟く。もしかしたら、君はあの階段を降りてきて、手を振って戻ってきてくれるのではないか。くだらない空想だと分かっている。それでも、天使の階段という響きは空想を現実にしてくれそうな雰囲気があった。ひとつ溜息を吐き、現実に戻る。空想を掻き消すように、レースのカーテンを乱暴に引いて閉めた。

拍手

PR
HOME | 213  212  211  210  209  208  207  206  205  204  203 

忍者ブログ [PR]