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君は不思議な顔をして、私に問うた事があった。
「先生、死とは何でしょうか」
君は真面目な顔をしていた。
これは私も真面目に答えなければならぬ。
「死とは、時間が止まる事だ。どんな手を尽くしても、その人の時計を進める事は出来ない」
真剣に聴いている君の目は、何処までも真っ直ぐだった。

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青い空を見上げるという行為自体が、久し振りに感じる。
遮る雲も無い空からは、陽光がさんさんと降り注ぐ。
こんな天気の日は、君のことを思い出す。
煙草に火をつけて、吐き出された紫煙が雲の様だった。
元気にしているのだろうか、と思うが連絡を取ることは無かった。
いつしか疎遠になり、そのままだ。
青い空を見上げるという行為自体が、久し振りに感じる。
遮る雲も無い空からは、陽光がさんさんと降り注ぐ。
こんな天気の日は、君のことを思い出す。
煙草に火をつけて、吐き出された紫煙が雲の様だった。
元気にしているのだろうか、と思うが連絡を取ることは無かった。
いつしか疎遠になり、そのままだ。

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しんしんと雪が積もっていく。
どの家も、砂糖菓子のようにこんもりと雪が積もっている。
雪掻きをせねばならないなと思いながら、窓から雪空を見上げる。
漆黒の闇から、舞い降りる雪は妖精の様だ。
雪掻きをする身としては、中々の困りものである。
しかし、降っている様の美しさは筆舌し難いものである。

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そっと毛布を掛ける。
机に突っ伏している彼は起きない。
近々資格取得の試験があると言っていた。
応援しているが、彼は無理をしてしまうところがある。
それを私は心配していた。
参考書の彼方此方に、何かしら書き込みがしてある。
熱心に取り組んでいるのだから、上手くいって欲しいと願うばかりである。

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遠くでカラスが鳴く声が聞こえてきた。
もうすぐ日も暮れる。
橙から紺へグラデーションに塗られた空に、星が僅かに煌めき始めた。
こうして1日は終わる。
太陽が沈んでも、空の縁はぼんやりと橙色に輝いている。
その美しさを説明するのは難しい。
この時間帯が好きだった。
陽が沈む迄話した君を思い出す。

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長い黒髪がさらりと揺れる。
ベッドのシーツに広がる髪の毛にそっと触れる。
艶やかで、芯のある髪は掌から零れ落ちる。
彼女の髪の毛は、美しい。
陽光に照らされ、焦げ茶色に反射するのも綺麗だ。
また、暗い部屋ではその闇に溶け込みそうな程に黒さが際立つ。
彼女自身は、意識していないが彼女は美しい。

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向日葵が揺れる季節のことだった。
満開の向日葵畑に、君は夢中でカメラのシャッターを切っていた。
その空間丸ごと保存しているかのようだった。
帰宅して君と写真を見てみると、幾つかの写真には自分が写っていた。
「いつの間に撮ったんだ?」
「声掛けたら撮らせてくれないだろう?」
彼は笑った。

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空が飛べたら何がしたい?
そんな些細な他愛ない会話だった。
そうだなあ、と考え込む。
ひとまず自宅の近所をぐるりと飛んでみたい。
それから、出来ることなら渡り鳥のように別の場所へと行ってみたい。
まだ知らない世界を、気流に乗って見てみたい。
私は何しろ出不精なもので、見知らぬ世界が多いのだ。

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いつまでも友達でいられると、私は思っていた。
趣味も合うし、なにしろ隣にいて楽なのだ。
変に気を遣わなくて良いのは、有難かった。
転校してきて日が浅く、まだクラスに馴染めずにいた。
最初に声を掛けてくれたのがあなただった。
その時は嬉しかった。
私はあなたの恋人になるとは、思いもしなかった。

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ゆっくりとした時間。
ハーブティーが入ったティーポットでは、ローズヒップが揺れている。
鮮やかな色合いが、私は気に入っていた。
ティーカップに注いだローズヒップティーに、口をつける。
身体の中心からぽかぽかと温かくなってくる。
ふうっと一息。
私は膝に置いていた本に、再び目を落とす。

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