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くい、と袖を引っ張られる感覚に思わず後ろを振り返る。
少し困った顔をしている君がいた。
「どうしたんだい?」
「え、いや、何でも無いです。」
慌てて手を離した君は、俯いた。
耳が赤くなっているのは寒さだけのせいではないようだ。
耳が赤くなっているのは寒さだけのせいではないようだ。
「私と離れるのが寂しい、かな?」
「え!いや、ちがわないですけど…。」
混乱して、おたおたする君の手を取り、ぐいと引き寄せる。
「今晩、私の家に泊まりに来たまえよ。そうすれば、寂しくないだろう?」
「う、ありがとうございます…。」
君の頭を、ぽんぽんと撫でる。
「もっと我儘言って良いんだよ。」
そう言うと、驚いた顔をしてその後恥ずかしそうに頷いてみせた。
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