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『単発』
・「繰り返される朝」追加
・「休息」追加
・「真夏の逢瀬」追加
・「夕立後にて」追加
・「本と海」追加
・「青き夏の尊さ」追加
・「均等に配分される幸せ」追加
・「白浜の足跡」追加

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『単発』
・「空を切る」追加

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風が早い。雲がどんどん流れて行き、次々と雲がやってくる。灰色になった雲は彼方此方で、雨を降らしてきたのだろう。此処もいずれ、風で運ばれた灰色の雲で雨が降るだろう。恵の雨となるか、災厄を招く雨となるか、どちらだろうかと自宅の窓から、流されて行く雲を見ながら考える。

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さらさらと風に吹かれる砂浜。砂浜を歩くと、足が沈み込み白砂に包まれる。裸足で波打ち際を歩く。砂独特の感触に、波がしっとりと足を洗っていく。波音を聞きながら、波打ち際を歩いていく。心地よい。何を考えるだけでもなく、ただ歩く。小さなカニが小走りで波から逃げて行く。その様子を横目に、ただ歩く。何から逃げる訳でもなく、ゴールもない。

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幸せの数より、不幸の数が多くて感じる事は無いだろうか。大体、世の中は均等に出来ている筈なのに、不思議なものである。嗚呼、あの時ああしとけばと思う事も何度もある。それでも、我々は生きていかねばならぬ。過去に捉われ、足元を掬われぬようにしなければならぬ。しかし、後ろを振り向く事は決して悪事である訳では無いだろう。過去の自分の事を振り返り、前を見て進む必要があるからだ。我々は、幸せを見つけながらこつこつと生きるのである。

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少年、分かるかい。人生の中で夏というものは、精々八十回程度しかないのだ。その中で自我がはっきりしていて、自分の記憶にある夏が幾つあるのか数えてごらん。どうだい、八十回より少なくなるだろう。だから、少年よ、年長者として一つ伝えておこう。何もやらずに後悔するより、やって後悔する青い夏が、どれだけ尊いのかを。

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さざ波が響く中、本を読む。どんな本だって良い。小難しくたって、コメディだって良い。自分が好きな本を読む。幾つか章を読み進めているところで、波の音に紛れて私を呼ぶ君の声がする。ふと視線を上げると、浅瀬で膝まで浸かった君が手を振る。それに、手を振って応えると、満足そうに沖へ泳ぎ出す。

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夕立後の陽光が、葉の輪郭をくっきりと照らす。葉に乗っている雨粒は丸く、風に合わせてゆらゆらと揺れる。雨により冷やされた地面からは、幾らか涼しさを感じられる。空は綺麗に洗われて、日が傾き始めた。雲が橙に徐々に染められていく。さて、夕餉はどうしようかと考える。

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空の雲は白くあちらこちらに、高く低くぷかりと浮かんでいる。涼しげな空の青色とは対照的に、気温は酷暑を極めている。額を伝う汗を拭い、蜃気楼が揺らぐアスファルトを見る。くらくらと目眩を起こしそうである。ペットボトルの蓋を開け、ごくりと一口。熱を持つ身体が、幾らかマシになった様な心持ちになる。待ち合わせ場所に居るであろう君を心配する。近くの喫茶店にでも入っている様に連絡したので、そうしていてくれる事を祈るばかりである。この炎天下、君を外で待たせてしまっては、申し訳ない。さて、もう少し頑張るとしよう、と再び歩みを進める。

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手に馴染む柔らかな毛が、きらきらと太陽光を浴びてその輪郭を煌めかせている。縁側にて寛いでいたところ、奥の間から猫がふらりとやってきた。甘えた鳴き声をあげ、胡座をかいていた自分の膝に上がってきた。そのまま、居心地の良い場所を探して猫は寛いだ様子で、膝に顎を乗せて、ぼんやりと外の様子を眺めている。一人と一匹、時間の流れはゆったりとしている。たまにはこんな日があっても良いだろう。

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