roika_works 忍者ブログ
Twitterで投稿した小説やイベント参加情報をまとめています
Admin / Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

温かい缶コーヒーで、仮初めの暖を取る。
指先の感覚が徐々に戻ってくるのを感じた。
手が温まった頃にぬるくなった缶コーヒーのプルタブを開ける。
カコンという音が、路地裏に響く。
腕時計を見て、もうすぐ待ち合わせ時刻であることを確認する。
「やあ、お待たせ」
と飄々とした様子で相手はやってきた。

拍手

PR
桜が舞う時期に、あなたと出会った。
偶然同じクラスになり、互いの趣味である読書を通じて親しくなった。
本の貸し借りをするようになり、返ってきた本には一言二言の感想をメモした紙が挟まっていた。
そのメモを、大事に保存している。
私の宝物だ。
無口なあなたを知る事が出来る、唯一のものであった。

拍手

お題:文通
お題提供:りおんさん

筆を取り、窓の外をぼんやりと眺める。
どういうことを伝えるべきか、頭の中で言葉がグルグルと回る。
そして、改めて白紙の便箋と向き合う。
聞きたいこと、伝えたいことは沢山ある。
しかしそれを便箋に書いていてはキリがない。
その為何個か厳選して幾つかの事項をしたためる。
窓の外は雪が降ってきた。

拍手

飼っていた犬が逃げた。
首輪は道端に落ちていた。
名前を何度も呼んで、公園の植え込みの下まで確認した。
成果はゼロだ。どうするべきか悩みながら、家路をとぼとぼと歩いている。
等間隔にある街灯が、影を地面に長く伸ばす。
家が見えて来ると、玄関前に見慣れた犬がいる。
思わず家に向かい駆け出した。

拍手

この季節になると、いつも手が冷たかった友人を思い出す。
冷え性なんだと言う彼は、ひょろりと背が高く痩せていた。
手袋を片方だけ貸してみたり、たまには手を繋いで帰ったこともあった。
それでも、お互いの気持ちを、確認し合わなかった。
怖かったのだ。
自分ばかりが、彼に思いを募らせている事実が。

拍手

ひとつだけ、あなたに秘密にしていることがあります。
何もかもを開けっぴろげにしてしまったら、きっとあなたは私に飽きてしまうから。
だから、私はひとつだけ秘密を作りました。
この先、私は秘密を口にすることはないでしょう。
この秘密は、墓場まで持っていくつもりです。
あなたを好きという感情を。

拍手

『更新情報』
・「黒い世界(写真集)」追加
・「初冬の言葉遊び」追加

『単発』
・「お昼寝」追加
・「寒いと心も冷たくなる」追加
・「あなたのいない冬」追加
・「嘘が好き」追加
・「近くて遠い人」追加

拍手

ご注文は、TwitterのDMで受け付けております。
発送は、2017/01/01以降になります。

拍手

『初冬の言葉遊び』
・セブンイレブン 56442553
・他コンビニ P3DXZJHNA8
印刷締切 2016/12/28



拍手

お題:お昼寝
お題提供:浅井さん

昼食を終えて、少しした後いつもこの時間になると必ず眠くなる。
「眠そうね」
皿洗いをしている彼女はこちらを振り向いてそう言った。
確かに瞼は重たいし、欠伸も出る。
でも、今昼寝をすると、君の姿が見えなくなる。
それは、勿体無いと思ったのだ。
「終わったら、一緒に昼寝しようよ」
「はい」

拍手

17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27 

忍者ブログ [PR]